北野國唐
28 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/01/29(日) 09:20:51.07 ID:boWap+Ok
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。

それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。

父「息子よ、なんで顔を隠すんや」

子「お父さんにはこだまが見えないの!だみ声で、タラコクチビルの・・・」

父「あれはたなびく霧だ・・・」

こだま「チッチキチー・・・意味はないけど楽しい言葉や」

子「お父さん、お父さん!きこえないの。こだまがぼくになにかいうよ。」

父「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。膝がふるえてるじゃないか」

ひびき「膝ががくがく言ういうやつやな」

こだま「膝はがくがく言わへんやろ、膝がもの言うたら夜中やかまして寝てられへんやろ」

子「お父さん、お父さん!見えないの、あの弱いつっこみ!」

父「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」

こだま「無茶言うたらあかんわー」

子「おとうさん、おとうさん!こだまがぼくをつかまえる!こだまがひびきをすべらせようとする!」

父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられた子はすでに往生しまっせ